台湾南部在住の日本人研究者を中心として集まった「東アジア人文学研究会」は2ヶ月に一度くらいのペースで研究会を催しています。人数はいつも5~6人くらいで、会場は南台科技大学(台南市)の教室をお借りしています。参加者の専門はまちまちで(文学、歴史、社会学など)、むしろ異なる分野間で話し合いができるのが持ち味と言いましょうか。興味がおありの方は歓迎いたしますので、気軽にご連絡ください。

  2018年末には関西地方で活動されている「言語圏の文学研究会」の先生方と合同研究集会を催す機会があり、12月29日に長榮大学(台南市)で開催されました。大東和重先生(関西学院大学)が全体的なコーディネートをしてくださり、会場では石井周先生(長榮大学)のお世話になりました。日本、台湾の各地から様々な方々にご参集いただき、全部で20名くらいだったでしょうか、小規模ではありますが刺激的で有意義な研究会となりました。研究会の前日と翌日にはそれぞれやはり大東先生が台南街歩きツアーを開催してくださり(詳細な地図資料までご用意いただきました)、この街のさらにディープな魅力を再発見することもできました。初めて会った方々と歓談したり、久しぶりの再会を喜んだり、様々な形で交流する良い機会でもありました。今後も同様の研究集会が継続的に行なわれるようになればと期待しています。

  今回の研究集会のプログラムは下記の通りです(私も発表しました)。
(午前の部)
1.都通憲三朗「台南地域の祭りと地域社会──祭祀圏論を手掛かりに」
2.黒羽夏彦「國分直一と平埔族研究──『壺を祀る村』を手がかりとして」
(午後の部)
3.徳永恭子「オーストリアの反郷土文学に関して」
4.榊祐一「和歌における風景観の転換──実景論に注目して」
5.今泉秀人「沈従文の“ミャオ族幻想”について」

  私自身の発表資料はこちらでご覧いただけるようにしておきます。ただ、私自身が平埔族(とりわけシラヤ族)の問題に関心を持ちつつも専門ではありませんし、また時間不足のため準備がうまくいかず、根拠を明示して論じている部分と、思い付きレベルの部分とが混在しております。アドバイスをいただくことができましたら幸いです。